カラスがケイタイ(声帯)模写で起こしにくる話

2011年6月30日
けさ、ちょうど午前5時、カラスが起こしにくる。

目覚ましは毎日携帯電話を利用し、バイブ(モード)で充電器にセットしている。タイマーは午前5時3分。きょうのカラスの鳴き声であるが、ドイツ語のRをしぼり出すような声で、一定の間隔で寝室にむかってぶつけてくるようであった。起きてカーテンを開けると、たしかにベランダの格子に足をかけ、こちらに顔をむけたカラスが止まっていた。それは急ぎ飛び去ったのだが、「待てよ」と思った。携帯電話がセットしてある充電器ごとテーブルの上で共鳴しだしたケイタイの振動は、いまのカラスの鳴き声ではなかったか。カラスは連日のわたしの起床劇のなかで、このバイブ音を日々耳に焼き付けていたのだろうか。とりあえず、きょうのところは、茶目っ気のあるカラスのわたしへの親愛の情として受け止めておくことにしようと思う。

※また、その<直前の夢>──飯島愛が肥満の少年を育てていた。少年はたこ焼きのソースで口の周りを汚しながら、寂れた店舗のテーブルで無邪気に食事をしている。初老の紳士たちが飯島愛からスピリチュアルなアドバイスを受けるなかで、わたしだけ、部屋の奥へ通され、何か特別なフランス料理のコースを饗されていた。飯島愛からは、「今、ある宗教教団よりその能力を買われて声が掛かっているのだが、……」と相談を受けているところだった。夢から覚めようとしたある時点、彼女が亡くなった人であるということが奇異に感じられた。