速水保孝著『憑きもの持ち迷信』(柏林書房 1957年)読了。

速水保孝著・柳田國男序文『憑きもの持ち迷信──その歴史的考察』(柏林書房 1957年4月5日);
本書について感想をもらす、というよりは、ブログなるものの試し書き。表紙と奥付の表記が異なるのだが、奥付には、『憑きもの持ち迷信の歴史的考察──狐持ちの家に生れて』とある。手元には標記の出版社のものの他に、1999年明石書店発行のものがある。後者の序には、昭和28年の恒松安夫島根県知事(1951−59)の「序」もあり。島根県知事として知るのは、恒松制治(在任1975−87)。また後者の著者紹介には──

 1920年島根県神原村(現加茂町)生まれ。旧制松江高校、東京帝国大学文学部国史学科卒。海軍予備中尉。東京大学大学院を経て金沢高等師範学校講師。転じて1949年第三次吉田内閣国務大臣秘書官。1952年島根県庁に入り、厚生部長、県立図書館長などを歴任。退職後出雲古代史研究に没入。主著として『憑きもの持ち迷信の歴史的考察』(旧版)『出雲の迷信』『原出雲王権は存在した』など多数。

とあり。
本書について知ったのは、学生時代、大学2年のときに読んだ吉本隆明の『共同幻想論』所収「憑人論」においてである。しばしばそこの引用を孫引きして語ったものであるが、ゲンブツを手にすることはなかった。まさか、積年の郷里をテーマとしたこの関心事が同じフィールドを対象としていたとはつゆ知らず。

憑きもの持ち迷信

憑きもの持ち迷信